「無歯顎臨床は考古学であり建築学である」と言った先生がいた。天然歯がすべて失われてしまっ た無歯顎という状態の上に、昔あったであろう状態を想定しながら、新しい総義歯を作っていくのは、なかなか大変な作業である。
そこで現在 使用している、いわゆる旧義歯があれば、それなりにそれを参考にするのは、当然良い方法であると言える。さらに踏み込んで、旧義歯のコ ピーデンチャーを作って、それを咬合堤つき個人トレーとして印象採得咬合採得を行なうならば、もっと総義歯作りが簡単に確実になっていくはずである。
私は、無歯顎の患者さんが旧義歯を持っていれば、必ずコピーデンチャーを作ってしまう。そこで、今回は、コピーデンチャーの 作り方をムービーで見ていただくことにする。
その映像の中には、説明が入っていないので、不明な部分は、この文章と照らし合わせながら、見ていただきたい。
1、コピーデンチャーを作るための金属製の入れ物は、『金属シェル』(ヨシダ社)である。
2、上下1組のコピーデンチャーを一緒に作ることが多いから、金属シェルは2個持っていると良い。
3、大きなラバーボウルが必要である。これも2個持っているとやりやすい。
4、アルジネート印象材を5杯練る。
5、旧義歯の咬合面をアルジネートに押し付ける。
6、アルジネート印象材を5杯練る。
7、もう一つの旧義歯を咬合面からアルジネートに押し付ける。
8、義歯を押し付けたアルジネートが硬化したら。
9、アルジネート印象材を6杯練る。
10、義歯の粘膜面にアルジネートを入れる。
11、そして金属シェルを閉じて、ネジをとめる。
12、同様に、アルジネート印象材を6杯練る。
13、義歯の粘膜面にアルジネートを入れる。
14、金属シェルを閉じる。余分なアルジネートが穴から出てくる。
15、アルジネートが硬化したら、金属シェルを開ける。
16、義歯を取り出す。
17、同じように、もう一つの金属シェルを開けて、義歯を取り出す。
18、上下の義歯を患者さんにお返しする。
19、金属シェルに溝がついているから、溝にそって、エバンスの彫刻刀でベントをつける
20、コピーデンチャーレジン(ヨシダ社)を混ぜる。
21、義歯を取り出した空間にコピーデンチャーレジンを流し込み、金属シェルの蓋を閉める。
22、15分、そのまま放置する。
23、15分ほど経つと、外に溢れたコピーデンチャーレジンを触ることにより、硬化したことが確 認できるので、金属シェルを開く。
24、もう一つの金属シェルも同じようにする。
25、人工歯部分も床部分もピンク一色で作ったコピーデンチャーが出来上がる。
26、次回の診療日までに、バリをとっておく。
27、コ ピーデンチャーを咬合堤つき個人トレーとして使うつもりならば、ピンク一色で作る。コピーデンチャーを治療用義歯として使うつもりなら ば、歯冠色だけで作る。いずれにしても、コピーデンチャーは一色で作るのが良いと感じている。
「Copy dentureを作る」を視聴 (Youtube動画) >>