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歯科技工所 日本タイコニウム ニュース 第16号

平成22年の日本タイコニウムお得意様ご招待特別ご招待講演会はメインゲストに熊谷市でご開業の小林晴行 先生をお招きして開催いたしました。
今回は、日本タイコニウムニュース24号からその内容を抜粋してご紹介いたします。

特集 私のパーシャルデンチャー

 2010年9月に開催されました、タイコニウム社のお得意様ご招待講演会において講演をさせていただきました。 私は、特別な診療をしているわけではありませんが当院におけるパーシャルデンチャーの症例をとおして、そのダイジェストをご報告いたします。御指導、御批判いただければ幸いに存じます。また診療の記録として写真を撮っているだけなので不備な点がありますが、ご理解いただきたいと思います。 もとよりパーシャルデンチャーの困難なところは歯根膜支持と粘膜支持が混在するところにあります。残存歯の条件によって、どこに咬合の支持を持っていくか、把持、維持をどうするか、担当の技工士ともよく意見交換をします。 また、咬合圧が加わった場合は、義歯は沈下するため残存歯部と粘膜負担との被圧変化量の差が生じますので、鉤歯にかかる力を少しでも緩和をするためにオルタードキャスト法は必要と考えています。また義歯を装着することにより残存歯を支えることができるように望んでいます。

当院担当技工士とタイコニウム社技工士が、指示書及び電話にて綿密な意見交換をします。
・この幅で強度がとれますか? チタン床で、タイコニウム床でお願いします
・レジンの部分はプレートタイプで、一部ここだけネットにして下さい
・舌側アンダーカットの下まで床を延ばして下さい
・PGAのI-バーをロー着して下さい
・このI-バーは赤線より歯頸部よりでお願いします
・I-バーのアームのスキを少なくできますか
・ポストダムはさらに2ミリ掘り込んでください
・(A)の模型を参考にして下さい、(B)の模型を使って下さい、
・鉤先はここまでにして下さい
・着脱方向がこの方向しかないので回転して維持装置ができますか? などなどです。


症例  (58歳 男性) 上下顎共に片側犬歯の欠損で残存歯全てにおいて骨植不良とみられるが、前歯を残した両側遊離端のケース 

初診時の口腔内状態
上顎義歯は装着すると残存大臼歯が痛いので外したままになっていた。それならばと、弱ってしまった大臼歯を抜去し、増歯、また口蓋を延ばし修理をした。 電気診により判断し、必要に応じENDO、支台歯形成。麻酔をしたときには、歯肉縁下のスケーリングを徹底する。
上顎模型の咬合器付着 続いて下顎模型付着用咬合採得
サベイイングの際、着脱方向が鉤歯のガイドプレインと一致するので鉤歯のガイドプレインとの平行性はもちろんですが顎堤の頬側舌側、鉤歯の頬側舌側も良くチェックします。また上顎においては口蓋皺壁等も考慮します。
補綴物装着後、旧義歯の修理が困難と判断されたので
同時に暫間義歯を作ることにした
装着されたクラウンと暫間義歯
タイコニウム床が完成した後、分割模型に金属床を戻すときのズレを起こさないためにも残存歯との適合を入念に確認する。同時に維持装置のアームが頬小帯に当らないかも調べる。
タイコニウム床にレジンで仮床を作り機能印象するが、この際咬合高径を調整したロー堤を用い咬合させて印象する。(咬合高径にあった辺縁形態を採得するため、タイコニウム床が口腔内に安定した状態を保つためでもある)
上下別々に印象した後、細かなバリや異物がないことを確認し、再度口腔内にもどして、 レジストレーションペーストを用い咬合採得をする。
このケースでは下顎前歯部口腔底辺縁にも石膏が入り込むようにするため細かな分割となった。
技工室ではメタル部分とレジン部分との境を目安に床部分の模型を分割する。   印象に分割模型を戻し、ワックスでボクシングして、石膏を流し作業模型を完成し、咬合器にマウントする。
チッ化処理した金属床
完成義歯
今回の症例は、下顎前歯部舌側口腔底辺縁部までの顎堤がS字状のアンダーカットになっていたがアンダーカットの下まで延ばし内面で調整することにした。このような下顎両側遊離端義歯の場合、顎堤が吸収し義歯が沈み込みをするとレストを支点としてピッチングを起こし前歯部舌側部辺縁に当たりが出ることが予想されるため、辺縁をレジンにて被覆した。将来総義歯を見据えての処置でもあります。
完成義歯の口腔内装着状態です。

以上。